除菌・消毒

これで安心!美容室のコロナ対策 接触感染対策編

これで安心!美容室のコロナ対策 消毒編

新型コロナウイルスの流行以降、美理容業界における衛生管理が今一度見直されています。
美容室オーナーの皆様も、これまで以上に衛生管理に気を使われているのではないでしょうか。

しかし、今までも取り組んでいた日々の消毒作業とは何が違うのか、器具消毒とおなじ薬剤を設備の消毒に使用してよいのか、そもそもどこまでやれば…など、細かい疑問や不安点は尽きません。
ぜひこの記事を参考にして、安全・安心のレベルを引き上げましょう。

美容室での新型コロナウイルス感染リスク

美容室での新型コロナ感染リスクというと、どうしてもマスクを外したり、人同士の距離がとれない時間があることから、飛沫感染に意識が行きがちです。
しかし、接触感染も同じくらい対策をする必要があります。

接触感染とは

新型コロナウイルスの感染経路の一つが、接触感染です。
「接触感染」とは、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。
他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染することを言います。
(厚生労働省HP『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)』より抜粋)

不特定多数の人が触れる場所には、ウイルスが手に付着した人が触れている可能性があります。
つまり、接触頻度が高いほど接触感染のリスクも高まるのです。

ちなみに新型コロナウイルスは、プラスチックに付着していた場合、感染力が弱まるものの3日間生存できるという研究結果も報告されています。
プラスチック以外の素材でも、長時間生存することが確認されています。

つまり、不特定多数の人が触れるものがある美容室は、多かれ少なかれ接触感染のリスクが潜んでいることになります。
リスクを回避するために、必要な対策を打ちましょう。

弱酸性次亜塩素酸水シックシャット

美容室が行うべき接触感染対策

美容室が行うべき接触感染対策
リスクを一つでも多く回避するために、美容室の取り組みとして

1)器具の消毒(基本の消毒)
2)店舗内の設備・道具の消毒・除菌
3)お客様への除菌依頼

の、大きく3つが必要です。

基本の消毒を徹底する

1)で述べた、器具の消毒に該当します。
理美容室を経営するうえで、当然実施していてほしいことです。
ただ、当たり前のことをマニュアル通り実施してみると、思った以上に安心できます。
厚生労働省の理容及び美容所における衛生管理要綱に基づき、各器具の消毒を行ってください。

特に薬剤は、空気に触れたり、保管場所や入れ物によっては時間が経つと効果が薄れてくるものもあります。
保管方法もこのタイミングで確認できるとよいですね。

また、「お客さま一人ごとに手指の消毒を行う」ことも再度徹底しましょう。
お客様の席を離れるたびに手をさっと消毒できると、お客様・従業員双方が安心できます。
客席一つ一つにアルコール消毒液を設置するなど、素早く消毒ができる環境を作ることが、感染リスクの減少につながります。

店舗に潜む新型コロナウイルス感染リスクを知る

2)店舗内の設備・道具の消毒 を行うために、まずは店舗内のリスク評価を実施してみましょう。
店舗内で、不特定多数(お客様・従業員問わず)が触れる機会が多い場所がどこか把握します。
以下に該当する場所・ものをピックアップしてください。

・複数の従業員が手で直接触れる頻度の高い場所(レジ、休憩室設備など)
・店内で共有している道具(ドライヤー、清掃用箒など)
・お客様・従業員が共通して触れる可能性がある場所(ドアノブなど)
・お客様が触れる場所(美容椅子のひじ掛け、雑誌など)

ピックアップが完了したら、接触頻度ごとにランク分けを行います。
頻度別にランク分けできたら、接触頻度の高い順、つまり感染リスクが高い順から清拭の頻度を設定しましょう。
最低限、営業前・営業中・営業後の各1回ずつ、一日3回の清拭は必ず行うようにしてください。
誰かが触れる都度、清拭を行えることが一番望ましいです。

雑誌など、完全に清拭することが困難なものは提供を中止しましょう。
タブレット端末に電子書籍アプリを導入し、都度清拭に変更することも検討してみてください。

新型コロナウイルスへの効果が実証されている薬剤を使う

効果が実証されている薬剤
清拭にあたり、どのような薬剤を使用するべきなのでしょうか。
モノに付着した新型コロナウイルスに有効とされているのは下記のとおりです。

熱水

80℃以上の熱水に10分間さらす

塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)

家庭用漂白剤を次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるように希釈し拭く
その後、水拭きをする

界面活性剤を含む洗剤

1)家具用洗剤の場合:そのまま使用
2)台所用洗剤の場合:薄めて使用
※有効な界面活性剤の詳細は厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページや、NITEの関連ページをご確認ください。

次亜塩素酸水

有効塩素濃度80ppm以上のものを使用し、消毒したいものをたっぷりの次亜塩素酸水で浸した後、20秒以上おいてきれいな布等でふき取る
※次亜塩素酸ナトリウムとは異なります。
※次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めただけでは次亜塩素酸水にはなりません。
※使用前に消毒するものの汚れを落としておきましょう。

アルコール

 
濃度70%以上95%以下のエタノールを用いてふき取ります。
出典:『新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)』より抜粋

使い方を誤った場合、人体に影響を及ぼす恐れがあります。必ず、使用する薬剤の説明を読むようにしてください。
特に、次亜塩素酸ナトリウム(強アルカリ性)は、酸性のものと混ざると有害な塩素ガスが発生します。

また、熱水以外の薬剤は、肌の弱い人が直接触れることで肌が荒れてしまうことがあります。
特に、日ごろからシャンプー等で手荒れに悩む従業員のためにも、人体にやさしい手段を選びましょう。
手肌に優しく、殺菌効果のある次亜塩素酸水を使用するのがおすすめです。

お客様へ除菌・消毒をお願いする

ここまでの対策は、店舗内にウイルスが持ち込まれたことを前提に、それらを「広げない」ための取り組みといえます。
新型コロナウイルス対策では、ウイルスを「広げない」ほかに、「持ちこまない」「持ち出さない」ことも大切です。

お客様が来店される以上、どうしても外からウイルスを持ち込んでしまう可能性があります。
ウイルスが店舗内に持ち込まれる前に対処し、感染リスクを減らしましょう。

お客様の入店時、特に気を付けたいのはお客様の手指、スマートフォンです。
手指消毒は、すでにたくさんの商業施設で実施されているように、入り口にアルコール消毒液を設置し、手指消毒後の入店を促します。

スマートフォンは、様々なウイルス・雑菌が表面に付着していると考えるのが自然です。
せっかく手指消毒をしたのに、そのあとに消毒していないスマートフォンに触れてしまっては、せっかくの「持ち込まない」施策が台無しです。
そのまま鏡前などにスマートフォンを置くだけで、そこもまたウイルスが付着する可能性があります。
同時にスマートフォンも消毒できるよう、除菌・消毒グッズを設置しておくことをお勧めします。
アルコールタイプのウェットティッシュや、次亜塩素酸水を吹きかけてティッシュでふき取るための一式などがよいでしょう。

なお、次亜塩素酸水はモノに付着したウイルスに対しては効果があることが認められています。
しかし、人の手指に付着しているウイルスに対しての効果は未評価です。

また、スマートフォンを持った手がウイルスだらけなら、手に持った鞄も…と考えた方もいらっしゃることでしょう。
鞄の持ち手などを除菌・消毒することは有効だと考えられます。
しかし、鞄の素材によっては薬剤がしみ込んでしまいシミになってしまうなど、鞄を傷つけかねないので十分に注意しましょう。

まとめ

・高頻度で触れる場所は新型コロナウイルスへの感染リスクが高い
・理美容室における基本の衛生管理が正しく行えているか確認する
・店舗内に存在する接触感染リスクを正しく認識する
・いくつかある有効な手段のうち、人体に優しく、手軽に導入できるものを選択・実行する
・ウイルスを持ち込ませない対策も同時に行う

ウイルスは、どこに存在しているかわかりません。知らないうちに店内に持ち込まれる可能性が十分に考えられます。
リスクを知ることは、ウイルスを排除するために重要な対策です。正しく認識し、適切な対処を行いましょう。

▼この記事を読んだ方におすすめ
弱酸性次亜塩素酸水シックシャット