新型コロナウイルス以外にも効果あり！時短メニュー提供のメリット

美容室における「時短」を考えたことはあるでしょうか。

もちろん、スタッフの時短勤務も働き方を考えるうえで大切です。
しかし、ここで触れたいのは「時短メニュー」のことです。

一人のお客様とじっくり時間をかけて向き合いたいから考えたことがない、という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、新型コロナウイルスが猛威を振るうこの時代、時短メニューがお客様や従業員を守るれっきとしたウイルス対策の一つになります。
時短メニューについて、メリットと注意点をまとめました。

新型コロナウイルス対策だけじゃない！時短メニュー導入メリット

お客様の滞在時間を減らす

時短メニューを導入するメリットで一番大きなものは「お客様の滞在時間を減らせる」ことです。

美容室の平均滞在時間は1時間43分。
それに対し、お客様が理想とする時間は平均1時間19分というデータがあります。

もちろん、性別やメニューによっても滞在時間が異なるので一概には言えません。
しかし、理想よりも長時間滞在する場合がほとんどのようです。

美容室に癒しの時間を求めている、というお客様がいらっしゃることも確かですが、癒しの時間＝長時間の滞在、とはなりません。
長時間動けず、椅子に座ったままの時間はどうしても「待たされている」と感じ、時にストレスにもなります。
施術後に予定があるお客様ならなおさらです。

また、オズモールの調査によると、コロナ禍における美容室選びで気を付けていることとして
「所要時間の短いメニューを選ぶ」と回答した方が多数いました。

何より今の時代、不特定多数の人が入店する店内にずっと滞在することは、リスクに直結すると考えるのが自然です。

また、仮にお客様が新型コロナウイルスに感染していたとすれば、長時間滞在すればするほど、スタッフの感染リスクも高まります。
時短メニューの提供によりお客様の滞在時間が減ることで、双方の不安やストレスを軽減できるのです。

お客様の滞在時間が減ることは、お店やスタッフにとってもメリットがあります。

回転率が上がる

店舗内の密集状態を避けるため、お客様の予約数を減らしている、時短営業をしている美容室がほとんどなのではないでしょうか。

するとどうしても新型コロナウイルス流行以前の状態よりも売り上げが下がり、経営状態に陰りが生じます。
少しでもその状況を打開するために、時短メニューの提供は有効です。

1回3時間のお客様を一人入れることと、1時間のお客様を3人いれるのではその差は歴然です。
もちろん、上記のような単純な計算にはなりませんし、3時間必要なメニューを選択されるお客様もいらっしゃいます。
お客様に選択肢を提供することで、よりお客様に「選ばれる」美容室を目指すのです。

スタッフの技術向上

どんなに勉強・練習を重ねても、1回の本番に勝る練習はありません。
100回の練習より1回の本番とはよく言ったものです。

それと同じで、お客様の滞在時間が短くなると、店舗の回転率が上がります。
お客様の数が増えることで、美容師が施術を提供する数も増えていきます。

残念ながら、新型コロナウイルス流行以前よりは減ってしまうかもしれません。
それでも、少しでも多く施術を行うことが、スタッフの技術向上につながることは、美容室を経営されている方であれば十分にお分かりいただけるのではないでしょうか。

また、時短を意識して施術に取り組むことで余計な工程が省かれ、技術向上が見込めます。
今までの自分の施術で余計な工程はないか、省略、効率化できることはないかと見直すことで、自分の技術力の見直しにもなり、効果的です。

ほかの仕事にも取り組める

新型コロナウイルス流行以前から忙しかったであろうサロンワークに、ウイルス対策として都度消毒がタスクとして加わります。
すると、どんなにお客さんの数を減らしていたとしても、ちょっとした作業が積もり積もってしまい、他の作業に充てられる時間が少なくなります。

特に、今はSNSを活用した集客は欠かせません。
こまめな更新が集客につながるとわかっていても、どうしても時間を割けない、ということも今までにあったのではないでしょうか。

時短メニューの提供ができれば、回転率が上がったとしても一人のお客様につきっきりという時間は減ります。
結果としてそうしたサイドワークにも時間を割くことができるようになります。

今、美容室に求められているのは「安心できる場所である」ことです。
事前に店舗が行っている感染対策をチェックしてからどこの店舗に行くか決める、という方も多いようです。
そうした場合、SNSなどのツールを駆使して店舗情報を発信することがとても重要になります。
ビフォーコロナと比較してやるべきことが変わってきている以上、店舗の業務を変革することも求められそうです。

時短メニューに取り組む注意点

時短メニューだからなんでも手短に素早く、というわけではありません。
対応するべきポイントをおさえることで、お客様とのトラブルを減らしましょう。

カウンセリングは時短にしない

美容室は、お客様の「なりたい」をかなえる場所です。
お客様がどうなりたいかを細部まで知らなければ、かなえることはできません。
事前のカウンセリングは無駄な時間とせず、丁寧に行うことがトラブル回避の一番の策です。

最近では、予約時にある程度のカウンセリングを済ませることができるシステムやサービスも多数存在します。
店舗からあらかじめ予約したお客様に働きかけることで、時短はもちろん、直接会っての会話を最低限に抑えることで感染防止対策にもつながります。

かかる時間を伝える

通常のメニュー提供の際も行っていると思いますが、どれくらいの時間がかかるのかを気にしているからこそ、お客様は時短メニューを選択されます。
カウンセリングまで含めてどれくらいかかる予定なのか、あくまでも予定であることを必ず伝えておくことで、トラブルを回避しましょう。
滞在時間がわかることで、お客様の安心にもつながります。

入念な感染対策を取る

回転率が上がればお客様の数も増え、外から持ち込まれるウイルスも必然的に多くなります。
お客様が入店される前に手指や持ち物の消毒を入念に行うこと、店内は30分に1回以上の頻度で換気していることなど、入念な感染対策がとられていることが大前提です。
有効とされている対策を正しく実行し、安全安心な店舗を維持してください。

まとめ

この時期だからこそ時短メニューの提供について機運が高まっていますが、いずれこの新型コロナウイルス流行が終息したときにも、継続して店舗にメリットをもたらすことと思います。
時短メニューの導入を行い、店舗の価値を上げて店舗の価値を上げていきましょう。