新型コロナウイルスの終息が見えない今、感染対策は事業を継続するために必要です。
しかし、お客様が外から来店される以上、外からウイルスが持ち込まれるのを完全に防ぐことはできません。
少しでもリスクを低減するために、来店されるお客様にも協力をお願いし、安心できる店舗づくりを行いましょう。
お客様に協力要請するべき事柄をまとめました。
感染対策のためのTODOリスト
3つの『ない』と対策
新型コロナウイルスに限らず、すべてのウイルス対策の基本は
「持ち込まない」「持ち出さない」「広めない」ことです。
店舗内で患者が発生・拡大を防ぐことが経営者として求められます。
対策として必要なのは以下の3点です。
・お客様の事前ヒアリング
・手指・持ち物の消毒
・3密を回避する行動
事前ヒアリング
すでに多くの美容室で実施されていると思いますが、来店前のお客様には必ずヒアリングを行いましょう。
・37.5℃以上の発熱がないか
・2週間以内の海外渡航歴がないか
・濃厚接触者ではないか
・家族に上記に当てはまる方がいないか
一つでも該当する場合は、別日に予約を変更してもらうようお願いしましょう。
仮にその方が新型コロナウイルスに感染していた場合、スタッフやお客様にも感染が拡大し、最悪の場合クラスターとなってしまう可能性があります。
手指・持ち物の消毒
緊急事態宣言前後から、多くの商業施設で入り口にアルコール消毒液が設置され、お客様一人一人に消毒をお願いしています。
同じように、店舗入り口でお客様にアルコール消毒をするようお願いしましょう。
なお、厚生労働省及び製品評価技術基盤機構(NITE)の発表によれば、人間の手指についたウイルスに有効なのは石鹸による手洗いとアルコール消毒(濃度70%~95%以下のもの)のみです。
次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム水溶液などは、モノに付着したウイルスにのみ有効です。
人の手に対する有効性は検証されていません。(一部の医薬品・医療用消毒器として認可されたものを除く)
人体には有害な成分が含まれているものありますので、必ず使用している消毒薬の成分を確認してください。
お客様のスマートフォンも、可能であれば除菌・消毒対応をお願いしましょう。
というのも、スマートフォンは新型コロナウイルス流行以前から、トイレの便座よりも汚いと揶揄されるほど、細菌・ウイルスが表面に付着しているといわれています。
手指消毒とあわせて、スマートフォンをアルコール消毒液や次亜塩素酸水をもちいてふき取るなどの対応が望ましいでしょう。
なお、薬剤によっては金属を錆びさせるものもあるため注意が必要です。
スマートフォンを消毒するなら鞄も、と考える方もいらっしゃるかと思います。
特に革製の鞄は持ち手の素材によっては薬剤が原因でシミになってしまうなど、損傷を起こす可能性があります。
取扱いに注意しましょう。
マスクを着用する
メニューや髪の長さにもよりますが、場合によっては1時間以上要する場合もある施術。
その間、お客様にはリラックスしていただきたいところですが、マスクだけは着用し続けてもらうことが望ましいです。
店内をどんなに換気していても、仮にお客様のくしゃみや咳にウイルスが含まれていた場合、店内に蔓延させることになります。
耳周りの施術等でマスクが汚れる、切れる場合を想定し、あらかじめ紐のないマスクなどを店舗で用意し、施術中は付け替えていただくのも一つの手段です。
その場合、お客様のマスクを一時的に収納しておくマスクケースなどを用意しておくとよいでしょう。
予約時間の厳守
店舗内が密集空間になることを避けるため、待合スペースでお客様が複数人滞在する状況を作らないようにしましょう。
あらかじめメニューに応じて施術に必要な時間を予測したうえで予約時間を設定されているかと思います。
予約時間を厳守してもらうことで、店舗内の密集状態を防ぐことができます。
もちろん、交通機関の乱れや悪天候など、様々な理由があって遅れてしまうとは思いますが、お客様にも上記の理由でできるだけ予約時間を守っていただきたい旨を伝えましょう。
温度調節しやすい服装で来店してもらう
換気は店舗で必ず行うべき対策の一つです。
特に、新型コロナウイルスの空気感染の可能性が指摘されていることからも、換気の重要性が改めて関係機関で叫ばれています。
店舗の場所にもよりますが、換気を行うことでどうしても空調の効きが悪くなるのは事実です。
しかし、換気のために窓を開けようとすると、どうしても室内の温度が変化してしまいます。
こうした事情を考慮し、温度調節しやすい服装での来店を推奨してください。
スタッフも気を付けて!お客様と一緒に感染リスクを減らす対策
美容室は、そのサービス内容からお客様と密接状態になることをどうしても避けられません。
密接になることで飛沫が飛ぶことがリスクと考えられています。
業種別のガイドラインにも記載があるとおり、お客様に近づく必要がある施術の時は、お客様もスタッフも必要最低限の会話にとどめ、できるだけ飛沫が飛ばないようにしましょう。
カウンセリングなど、コミュニケーションを交わす必要がある場面は、指差しや事前の入力などで、極力会話によるコミュニケーションを減らすことがリスクの低減につながります。
会話がどうしても必要な場面は、お客様も、スタッフも、マスクの着用を忘れないようにしてください。
ただし、これまでお客様とのコミュニケーションをとることで指名を得てきた、関係を維持してきた美容師にとっては、難しい面もあるかもしれません。
お客様にも、美容室でお話をすることでストレス解消になっている方や社会的なつながりを維持している一人暮らしの方、美容師とのトークを楽しみに来店されていた常連さんなどがいらっしゃるのではないでしょうか。
お客様には新型コロナウイルス対策であること、安心、安全な店舗づくりにご協力をいただきたい旨をあらかじめ説明しておきましょう。
お客様を守るためでもあります、などと一言添えておくと、お客様の受ける印象も変わるかもしれません。
まとめ
ここまでお願いする必要があるのか、と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
しかし、お客様にここまでお願いすることで、対策に重点的に取り組んでいる店舗の姿勢を示すことにつながります。
お客様にも協力していただきながら、安心してできる店舗づくりを目指しましょう。