飛沫防止

基本を徹底!歯科医院における飛沫感染対策

基本を徹底!歯科医院における飛沫感染対策

歯科診療は、直接患者の口腔内に触れる、治療中に飛沫が飛ぶなど、通常の生活と比べて感染リスクの高い活動であることは否めません。
それに対して不安を感じる患者、スタッフも多いのではないでしょうか。

診察室内外を問わず、院内の空気環境について改めて見直し、少しでもリスクと不安を排除することが歯科医院の経営者に求められます。
歯科医院で気になる感染対策、特に飛沫感染に関する対策をまとめました。

感染症対策として取り組む飛沫感染防止

診察室内(臨床)での対策

標準予防策の徹底

そもそも歯科医院では、30年以上前から感染症対策を重視されてきたのではないでしょうか。
CDCガイドラインに準拠する「標準予防策」には、『あらゆる人の血液、すべての体液、汗以外の分泌物、排泄物、損傷のある皮膚、および粘膜には感染性があると考えて取り扱う』ことが記載されています。
ほぼすべての歯科医院において、この考えを基にすべての人に対して感染予防策を実施しているはずです。

新型コロナウイルスに対しても、基本はこの標準予防策に準拠し、これまでと同様の対応を徹底しましょう。

しかしご存じの通り、まだ新型コロナウイルスには未解明の事柄も多く、思わぬところにリスクが潜んでいる可能性があります。
基本の対策にプラスアルファの環境整備を行うことが、患者さんやスタッフの安心にもつながります。

器具や環境の違いから、歯科医院の飛沫感染対策のための環境整備は待合室と診察室(臨床)の2つにわけて考えたほうがよいでしょう。

診察室内(臨床)での対策

-口腔内での歯科用バキュームの確実、的確な操作
-口腔外バキューム(口腔外吸引装置)の活用
-治療中のラバーダム使用
-ゴーグルまたはフェイスシールドの着用 など

職務の性質上、どうしても飛沫が飛び散ることを100%防ぐことはできません。
飛び散ったものを空気中に浮遊させないために、口腔内外でのバキューム使用が推奨されています。
そもそも唾液などが飛び散るのを防ぐために、ラバーダムも積極的に使用するのもよいとされています。

それでもなお、100%防ぎきることのできない飛沫に対してフェイスシールドやゴーグルも有効です。
新型コロナウイルス流行以前は使用場面を限定していたという方もいらっしゃるかと思いますが、可能であれば常時着用しておくことが望ましいでしょう。
歯科助手などの受付を担当するスタッフにも、状況に応じて使用してもらうことが理想です。

診察室外(待合など)

-予約間隔・使用ユニット調整
-予約のみの受付にするなど、待合室の密集回避
 
診察内容をあらかじめ把握し、かかる時間を予測して予約時間枠を設定するなど、待合室が多くの患者さんで密集状態になることをできるだけ防ぎます。
受付にビニールカーテン・アクリル板などの遮蔽物を設置している場合もあるかと思います。
この場合、設置しても十分な換気が行えるか確認して下さい。
  

共通の対策

-定期的な換気
-マスク着用を遵守(スタッフ・患者共に) など

厚生労働省は、空気中のウイルス対策として『こまめに換気を行い、部屋の空気を入れ替えることが重要』と提言しています。
目安として30分に1回以上、数分間、2方向の窓を全開にするとしています。
難しい場合は窓に向かって扇風機を回すことで、効率的な換気ができます。
特に診察室は構造上、換気が難しい場合もあるでしょう。
可能ならば、診察室の扉を常時開放しておくなど、密閉環境を作らない工夫が必要です。

飛沫感染対策に空間除菌は必要?

空間噴霧は健康被害の恐れ

何らかの理由で換気が難しい、効率的に換気ができない、など、個々の事情があるかと思います。
加えて、安心できる材料を一つでも多く、という理由で様々な空間除菌を実施している医院もあるのではないでしょうか。

いわゆる空間除菌にもいろいろなやり方があります。
それらに共通して言えることは、現時点で空気中のウイルスに有効性が証明されている対策は換気のみ、ということです。
特に、厚生労働省は『人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがある』としています。
様々な薬剤が販売されていますが、人がいる環境で噴霧しないでください。

オゾンの有効性

オゾンの有効性
多くの宿泊施設や保育施設などで使用され、厚生労働省もその殺菌性を認めているオゾン発生器やオゾン水を空間除菌の手段としている医院もあるかと思います。
新型コロナウイルスがエンベロープ性であること、これまで発見されているエンベロープ性ウイルスに対してオゾンが有効性を発揮していることから、オゾンは新型コロナウイルスに対して有効である『可能性がある』としている業者も多く存在します。

厚生労働省は、現時点でオゾンの新型コロナウイルスに対する有効性について言及していません。
確かに効果が期待できるものではありますが、効果が厚生労働省から認められていないことで、かえって患者に不安を与えてしまう可能性もあります。
これらの機器を導入する場合は、安全に使用できる環境で正しく使用しましょう。
また、オゾンのみに依拠しないよう、複数の対策を掛け合わせて行うことも大切です。

まとめ

・標準予防策の徹底
・診察室では飛沫が飛ばない・飛沫が粘膜に触れない対策を
・待合等では密接・密集を防ぐ対策を
・どちらも換気が基本
・空間除菌は方法に注意 複数の対策と掛け合わせて

ウイルス対策は「持ち込まない」「持ち出さない」「広めない」が基本です。
院内環境を見直し、上記の基本や「3密」など、できることを確実に行って安心できる医院づくりに努めましょう。

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