コロナ禍における美容室経営、コロナ以前よりうんと気を遣うことが増えて、何かと苦労が絶えないのではないでしょうか。
特に、美容師の職業病ともいわれる手荒れを抱えたまま、あらゆる場所をアルコールで消毒する作業はなかなか辛いですよね。
自身や従業員、お店のために必要不可欠な消毒作業。
実はアルコール以外の消毒剤でも問題ないことはご存じでしょうか?
アルコールではない消毒剤の中には、肌への刺激が少ないものもあります。
肌に優しい消毒剤を導入すれば、新型コロナウイルス対策はもちろんのこと、手荒れがさらにひどくなり離職してしまう有望な美容師を減らすことができるかもしれません。
次亜塩素酸水でも新型コロナウイルス対策になる!
モノを拭くときに使えるアルコール以外の消毒液がある
手指の消毒は、石鹸による手洗いが一番の対策です。
しかしそれだけではなく、コロナ禍においては接触頻度の高い場所も消毒剤を使用してふき取りすることが推奨されています。
荒れた手では、少しの量でもアルコールに触れると染みて痛いですよね。
ふき取りに使用する消毒剤について、製品評価技術基盤機構(以下NITE)が有効性評価を行っています。
新型コロナウイルスに有効とされる成分は、アルコール以外に以下の通りです。
<界面活性剤>
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
・アルキルグリコシド(0.1%以上)
・アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
・塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
・塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
・塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
・純石けん分(脂肪酸カリウム(0.24%以上)
・純石けん分(脂肪酸ナトリウム(0.22%以上)
<次亜塩素酸水>
・次亜塩素酸水(電解型/非電解型)は有効塩素濃度35ppm以上
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは有効塩素濃度100ppm以上
成分名を見るとよくわからないのが正直なところ。
ここでいう界面活性剤は、多くの食器洗い用洗剤に含まれています。
NITEでは、新型コロナウイルスに有効な成分が含まれている界面活性剤のデータも公表しています。
しかし、界面活性剤はその多くが手の油分も一緒に取り去ってしまいます。
そのため、手に優しい消毒剤とは一概に言えません。
ここで注目したいのが、次亜塩素酸水です。
アルコールの代わりに使いたい!手荒れを起こしにくい次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は新型コロナウイルスに効果がある?
前項に記載のとおり、有効塩素濃度が35ppm以上の次亜塩素酸水であれば、新型コロナウイルスに有効であるとされています。
あらかじめ対象個所の汚れを取り除き、次亜塩素酸水を十分にかけ、ふき取ることで効果を得られます。
(※)世の中に出回る次亜塩素酸水には、さまざまな製法があります。
すべてを「次亜塩素酸水」とひとくくりにされて発売されているため、注意が必要です。
次亜塩素酸水は手に優しい?
次亜塩素酸水が新型コロナウイルスに一定の効果があることはわかりました。
では、すべての次亜塩素酸水は手に優しいのでしょうか。
答えはNO。一般的な次亜塩素酸除菌水と呼ばれるものは弱アルカリ性であり、弱酸性の手肌には刺激を与える可能性があります。
しかし、次亜塩素酸の中でも、手肌と同じ弱酸性のものがあります。
それが、シックシャットです。
弱酸性×強力殺菌のシックシャット
シックシャットの効果
シックシャットはpH5.0~6.0の、弱酸性に分類される電解型次亜塩素酸水です。
有効塩素濃度は80ppmと、十分な効果が見込めます。
この図は、pH値と有効塩素の存在比率の関係を表したグラフです。
次亜塩素酸を原料とする次亜塩素酸水は、pH値によって有効塩素の主成分が変化します。
赤い折れ線グラフが高い位置にあるほど、殺菌効果が高いとされています。
シックシャットはpHが5.0~6.0と、殺菌効果を発揮する次亜塩素酸が最も多く含まれる領域に該当します。
そのため、高い殺菌効果と肌へのやさしさの両方を実現することができています。
美容師のように、手荒れに悩む方はもちろん、アルコールアレルギーなどでエタノール系の消毒薬を使用できない方などでも、あらゆる場所でモノの消毒に使用することができます。
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シックシャットの使い方
一般の次亜塩素酸水を使用する場合と変わりません。
あらかじめ対象の場所の汚れなどを落としたうえで、たっぷりとシックシャットを吹きかけます。
滴るほど吹きかけたら、あとは乾いた布などでふき取るだけ。
これだけで、アルコール消毒剤などと同等の消毒効果を得ることができます。
本当にシックシャットは手荒れしない?
継続的に長期間使用することで、アルコール脱脂効果により肌が荒れることがあります。
しかしながら、常時アルコールを消毒剤として使用しているときよりも、はるかに手荒れの可能性が低くなります。
シックシャットを用いた皮膚刺激性パッチテストも行われており、手荒れ・肌荒れを起こしにくいことが第三者機関によって証明されています。
次亜塩素酸水を使用する際の注意
次亜塩素酸水は、あくまでもふき取りに使用するものとしてその効果が認められています。
空気清浄機に入れるなどして空間に噴霧、空間除菌と称して使用されるものは、安全性が確保できないとしてその効果を認められていません。
消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸いこむことは、推奨できません。
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページより引用)
シックシャットに限らず、次亜塩素酸水の空間噴霧は危険です。
空気中に漂うウイルスを除去したい場合、まずは換気を行いましょう。
その他、オゾンや光触媒も効果が確認できたとして注目されています。
次亜塩素酸水とシックシャットに関するまとめ
・アルコール以外の消毒剤でも新型コロナウイルスに有効なものがある
・次亜塩素酸水の中でもシックシャットは手肌に優しい弱酸性
・pH5.0~6.0は、殺菌効果の高い次亜塩素酸が最も多く含まれる領域
・シックシャットはpH5.0~6.0
・シックシャットは、手荒れを起こしにくいことが証明されている
美容師にとって職業病ともいわれる手荒れ対策を取ることは、従業員である美容師を守ることです。
言い換えれば、お店を守るための手段の一つでもあります。
これをきっかけに、ぜひ優しい消毒を検討してみてはいかがでしょうか。