飛沫防止

【お役立ちニュース】マスクの素材で違う効果 どんなマスクを選びますか?

【お役立ちニュース】マスクの素材で違う効果 どんなマスクを選びますか?

理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションで、マスクの素材によって飛沫の拡散の様子が異なることがわかりました。

新型コロナウイルスの感染原因として最も多いと考えられている飛沫感染。
マスクをどのように使って防げばいいのか、改めて考えるきっかけとなりそうです。

「富岳」によるマスク素材別シミュレーション

理化学研究所の発表によると、比較の対象となったのは

・不織布
・布
・ウレタン

のそれぞれの素材でできたマスク。
素材の他、形状での違いを再現し、富岳でシミュレーションを実施しました。

実験の結果

スパコン「富岳」によるシミュレーションの結果

※富岳のシミュレーション結果をもとに編集部作成、相対的な評価

シミュレーションから、不織布のマスクは、布・ウレタン製のマスクよりも飛沫を外に漏らさない性能が高いことがわかりました。

一方、布マスク(1枚布)は、多くの飛沫がマスクを通過してマスクの外に出てしまっています

若い世代を中心に広まっているウレタン製マスクはどうでしょうか。
立体的で呼吸もしやすい構造になっていることが多いですが、飛沫がマスクを通過し、多くがマスクの外へ出ていることがわかりました。

マスクの選び方

マスクの選び方
飛沫防止の観点からのみ見ると、不織布マスクを着用することが望ましいといえます。
しかし、マスクを選ぶ際に注目するべきは「通気性」、つまり呼吸のしやすさ、という観点もあります。

不織布マスクは、布・ウレタン製のマスクと比較して通気性が悪く、呼吸がしづらいということがわかりました。
呼吸がしづらいということは、酸欠状態が起きやすくなっていると想定してよいでしょう。

酸欠になると、多くの場合頭痛やめまい、集中力の低下などの症状が現れます。
酸欠状態が続くことで疲れやすくなったり、思考回路が低下するなど体調に異常をもたらす恐れがあります。

研究グループの坪倉誠・神戸大学教授は
「呼吸がしづらいものほどフィルター性能が高く、飛沫を外に逃がしにくい」
とし、飛沫拡散防止を重視するのであればそうした「呼吸のしづらいマスク」を選ぶとよい、としています。

そのうえで、仕事など、一日を通して頭を使い集中する必要がある場面では、布マスクのように通気性の良いものを選ぶなど場面に応じたマスクの使い分けをするよう推奨しました。

また、経済面も考慮する必要があります。
毎日のマスク着用が必須となるこのご時世、使い捨てである不織布のマスクはあまり経済的ではありません。

一方、布やウレタン製のマスクは洗濯をすることで繰り返し使用することができます。
経済面、呼吸のしやすさ、そして飛沫を防ぐという3つの観点からマスクを選ぶことが求められそうです。

注意点

現在、様々な種類のマスクが発売されています。
その中には当然、今回の実験結果とは合わないような、性能の劣るマスクが含まれていることも否めません。

反対に、布マスクであってもフィルターを含む多重構造になっているものもあり、今回のシミュレーションの結果が一様に当てはまるとは言えません。
個々のマスクの機能を見ながら選ぶことが大切です。

もちろん、マスクのみが感染拡大防止策というわけではありません。
手洗いなど手指消毒、換気など他の感染拡大防止策と併せて徹底することが望まれます。

美容師はどんな素材のマスクを選ぶべき?

では、このシミュレーションを踏まえて考えられることはいったい何でしょうか。

美容師はその職務の特性から、お客様と至近距離でお話せざるを得ない職業です。
飛沫が飛ばないようにマスクを着用しているのはもちろんかと思いますが、可能であれば今回のシミュレーションの結果を踏まえ、マスクの素材にも気を配れるとよいかもしれません。

また、なぜ不織布マスクを選んで着用しているのか、発信していくことも大切です。
美容室選びに慎重になっている人が多いからこそ、不織布のマスクを着用している理由、安心できるお店づくりを行っているアピールをし、選ばれるお店にしていくことが大切ではないでしょうか。

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参考
・世界一「富岳」シミュレーション 飛沫防止効果高い「不織布マスク」にも性能差(FNNプライムオンライン)
https://www.fnn.jp/articles/-/112272
・マスク内の呼吸は酸欠状態?精神や肉体活動の低下を防ぐ方法とは(OVO)
https://ovo.kyodo.co.jp/column/a-1441586
・人と会う時は不織布マスク 素材、形状で性能差「富岳」分析(ITmedia NEWS)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2011/27/news055.html