新型コロナウイルスの流行以降、より必要性が浮き彫りになったBCP。
どんなものか、必要性はわかっていても、実際にどうすればいいかわからない方、難しそうだからと敬遠していた方も多いのではないでしょうか。
また、実際そこまでのパワーを割けないという経営者の方も多いかと思います。
BCPの策定を段階的に進め、少しずつでも備えておくことで「いざという時」の行動が変わります。
BCPの策定に必要な手順、考え方など、できるだけ簡潔にまとめました。
自分たちでBCPの策定を行う際の参考にしてみてください。
なお、地震や台風などの自然災害よりも、新型コロナウイルスを想起するような感染症拡大時に発動するBCPを想定しています。
※BCPってそもそも何?という方はこちらの記事を参照ください
BCP策定のまえに 基本的な考え方を知ろう
策定の手順
BCPの策定は
1) 現状把握
2) 重要商品・業務を選択する
3) 被害を想定する
4) 想定される被害へ事前対策を考える
5) 緊急時の体制の整備
という順序で行います。
一見難しそうですが、現状を把握したうえで、想定される被害へ対策を考えます。
普段の経営でも用いている考え方ではないでしょうか。
BCPと聞くと特別なもののような気がしてしまいますが、あくまでも日ごろの経営の延長にあります。
BCP策定に必要な考え方
特に上記ステップ4)で重要になるのが、
問題の把握→原因の追究→課題の発見→解決策
という一連の思考・行動の流れです。
「問題」とは、言い換えると「理想とする姿と現実とのギャップ」です。
緊急事態に備えてこうあってほしいな、と思う姿に対し、現状を照らし合わせた時のギャップは「問題」と考えることができます。
この「問題」はなぜ起きたのか、を考えるのが「原因の追究」です。
理想の姿を周知できていなかったからかな、理想をそもそも考えていない、定めていなかったからかな、など、どうしてその姿があるのかを考えます。
「問題」に対して重要な「原因」をピックアップし、解決するためにやるべきことが「課題」です。
課題は実際のアクションの内容になり、そのアクションをどう実行するかが「解決策」になります。
BCP策定のファーストステップ 経営の現状把握をしよう
通常時の経営の実態を把握しよう
現状把握といっても…という場合には、中小企業庁のサイトからBCP取り組みチェック表を確認することをおすすめします。
これは主に地震や台風などの自然災害を想定した内容のため、感染症対策とは観点が異なる項目もいくつかあります。
目安として活用してください。
ただし、いつ大地震や巨大台風が来てもおかしくありません。
このタイミングで自然災害に関するBCPも策定できればなお良いですね。
こうした緊急事態の備えの他に、普段どのようなサービスをお客様に提供しているのか、一日の流れや業務一覧も確認しておきましょう。
予約の受け方、掃除の仕方や教育、店舗の財政状況のことももちろん、頭に入れておいてください。
BCPを策定する目的を認識しよう
ここでもう一つ忘れてはならないのが、BCP策定の目的を認識することです。
「緊急事態宣言のときに慌てたから」という程度で構いません。それをどんどん深掘りしていきましょう。
なぜ、緊急事態宣言の時に慌てたのでしょうか。
外出自粛になり、経営が立ち行かなくなったからでしょうか。
従業員にお給料が払えなくなったからでしょうか。
何をやるべきかわからなくなったからでしょうか。
給付金の申請がなかなか通らなかったからでしょうか。
「慌てたから」という理由一つにも、様々な「なぜ」が隠れていると思います。
なぜ慌てたのか、原因をしっかり考えられると、おのずとBCPを策定する目的が見えてきます。
「経営を維持するため」「雇用を守るため」「企業としての信頼を維持するため」などがあげられます。
BCP策定で享受できるメリットともいえるでしょう。
この辺りを認識しておくと、いざという時の備えをより厳密に行えます。
まとめ
このファーストステップを綿密に行えるかどうかが、以降のBCP策定の肝となります。
BCPは策定して終わりではなく、日々改善していくものです。
まずはこのくらいかな、という程度でも構わないので、実行してみましょう。